「主食の重ね食べ」調査で分かった驚くべき事実とは

主食重ね食べ調査は「大阪版健康・栄養調査」の一項目

大阪府健康医療部が2016年8月2日に「第1回大阪版健康・栄養調査結果(速報版)」を発表してこのところ話題になっています。

大阪府独自で成人や高校生を対象に食への意識と行動を調査したもので、この調査の中に「主食の重ね食べ」や「高齢者(65歳以上)のたんぱく質摂取状況」等に関する質問項目があり、調査結果のポイントが次のようにまとめられています。

1 若者よ、大人になっても朝食からは離れないで!
2 この夏休み、家族で料理。めざせ弁当男子・弁当女子!
3 太めの人、「主食重ね食べ」にご用心!
4 年をとっても、たんぱく質は十分に!

 3と4のポイントは、糖質オフと関係の深い内容となっています。

情報通のOLが口コミする「主食重ね食べ」とは

先日筆者がランチタイムに行った際、隣の席のOLさんが「主食重ね食べ」を話題にしていました。NHKニュースやYahooニュースなどでも採り上げていたので、かなり情報拡散があったと思われます。

聞こえてきた会話を要約すると、「お好み焼き+ごはん」のような食べ方を「主食重ね食べ」と言うこと、それをすると太ってしまうという内容だったと思います。さすが、OLさんは情報感度が高く正しい情報を持っていますね。

「主食の重ね食べ」とはその名の通り、主食を重ねて同時に食べることで、「お好み焼き+ごはん」だけでなく、「うどん+かやくごはん」「ラーメン+チャーハン」「パスタ+パン」なども調査結果で例示され、おいしくて、お腹いっぱいになる、大阪でよく見られる食べ方だとしています。

余談ですが、OLさんたちは沖縄料理の店のランチで、ゴーヤチャンプル定食(ゴーヤチャンプル+ごはん+ミニ沖縄そば+小鉢)を食べていました。これが偶然にも、「プチ主食の重ね食べ」になっていたことを気付いていたでしょうか。

なんと4人に1人が1日1食以上主食の重ね食べ

主食の重ね食べに関する調査結果を見ていくと、18歳以上の男性の61.5%、女性の47.1%が週1食以上、重ね食べをしていることが判明しました。男性約6割、女性約5割の高い率です。その中でも、1日1食以上は男女とも26%台、4人に1人が重ね食べをしているという驚くべき結果でした。

世代別では、若年者と高齢者の男性で1日1食以上の人の割合が多い傾向となり、特に65歳以上の人は糖質過多になっている可能性があり、筆者としては気になるところです。

また、肥満度(BMI)別の「主食重ね食べ」の頻度では、男女とも肥満 (BMI25以上) の人は普通・やせ(BMI25未満)の人よりも、重ね食べの頻度が高い(週1食以上の割合が高い)という結果になっています。これはある程度予想された結果でしょう。

「主食重ね食べ」の定食はこんなにもあった

「主食重ね食べ」にはどのようなものがあるのか、思いつくままにリストアップしてみました。地域性のあるメニューやポテトを主食から除外して列記しました。

<定食系>

・お好み焼き+ごはん

・焼きそば+ごはん

・ラーメン+チャーハン

・ラーメン+ライス(おにぎり)

・うどん(そば)+かやくごはん

・うどん(そば)+おにぎり

・うどん(そば)+いなり寿司

・うどん(そば)+どんぶり

・パスタ+パン

・パスタ+ピザ

<完成食品系>

・そばめし

・焼きそばパン

こうしてみると、大きく、ごはん+麺(粉もの)の定食系と完成食品系に分類できそうです。定食系はセットになっていますが単品でも注文は可能なもの、しかし完成食品系はどちらかの主食を取り除くことはできません。

主食重ね食べは大阪だけの食べ方ではなかった?

もはや、大阪のソウルフードとなっている「お好み焼きとごはん」。調査でも「大阪らしいと思う」人が3割前後はいました。

この調査結果にネット上では、「主食が2つだから太りそうなのは分かっている」「もはや習慣なので止められない」「余計なお世話や、好きなように食べさせ」「大阪の食文化だから仕方ない」などの声が上がっています。

「お好み焼きとごはん」などは確かに大阪ソウルが感じられますが、ラーメンライスやラーメンチャーハン、うどん+かやくごはん、そば+どんぶり、パスタ+パンなどはすでに全国区ではないかと思います。つまり、日常的に日本中で定食のセットメニューとなっていて、炭水化物の重ね食べはもはや日本のソウルフードといえる一面もあります。

したがって、大阪の「お好み焼きとごはん」に代表される主食重ね食べ調査結果は、大阪府民向けだけでなく、全国の人に向けたメッセージと捉え直すことが必要でしょう。食文化である大阪ソウルフードには敬意を払いながらも、食生活を振り返るキッカケや意識の変化につなげていくことで間違いなく“健康の勝ち組”となれるでしょう。

まとめ

今回のテーマではほとんど説明できませんでしたが、大阪版健康・栄養調査の中では、「主食の重ね食べ」の他に、「高齢者(65歳以上)のたんぱく質摂取状況」や「栄養成分表示の活用」などの調査項目があります。

高齢者の中でたんぱく質が不足している人が多く、肉・魚・大豆・卵・牛乳・乳製品などの食品を食べることが大事なことを示唆しています。

また、栄養成分表示を「ほとんど参考にしない」人の割合が男女とも約4割いて、「見たことがない」人と合わせると約6割に達していることが分かりました。

タンパク質を多く含む食品の摂取は、糖質オフでも重要な食品となっています。栄養成分表示もできるだけ参考にすることが、ゆるやかな糖質オフの実践に効果的であることは、すでに「健康食ざるそばを糖質視点でチェックしてみたらスゴイことになった」で投稿した通りです。

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