健康食ざるそばを糖質視点でチェックしてみたらスゴイことになった

健康食そばの豊富な栄養素と効能は圧巻

健康でヘルシーな食事と言えば、「低カロリー」で「脂質の少ない」ものと相場が決まっています。これまでも、そして現在も広く知られた常識です。

特に日本そばは、良質な栄養素が含まれ、健康維持に欠かせない食事として何世紀もの間、長寿食として親しまれてきました。

筆者も大好きな食品です。そばの特筆すべき主な栄養素と効能をまとめてみたら、次のような表になりました。

栄養素 効 能
ルチン ポリフェノールの一種で抗酸化作用がありコラーゲンを生成。毛細血管を強化し、高血圧・糖尿病・痴呆症などを予防
ナイアシン ビタミンB3、血行促進、皮膚・粘膜の炎症予防、神経症状の予防
コリン 高血圧予防
ビタミンE 老化予防
ビタミンB1 疲労回復、口内炎、イライラ解消
ビタミンB2 栄養素の代謝を助け、肌・爪・髪等の成長・発育促進
食物繊維 食物繊維は白米の2.5倍で、整腸作用、便秘予防
ミネラル カルシウム、カリウム、鉄等が豊富

要は、白米やうどんに比べ、ルチン・タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富で、確かに長寿食といえます。

健康食ざるそばも糖質視点ではザル?

この健康食のざるそばをスーパーで買った際、栄養成分表示をよく読んでみました。すると、

「エネルギー291kcal、たんぱく質13.5g、脂質1.3g、糖質54.8g、食物繊維3.2g、ナトリウム926mg/食塩相当量2.4g」

と記載されています。

ここで注目したいのは、糖質の54.8gです。炭水化物表示の場合は、食物繊維の値を引いた数字が糖質(炭水化物-食物繊維=糖質)となりますが、別途、食物繊維3.2gが記載されていますので、ここでは糖質はそのまま54.8gとなります。

『食品別糖質量ハンドブック』(江部康二監修/洋泉社)で糖質量を確認してみても、次の通りです。

ごはん(白米)茶碗一杯 150g 糖質55.1g

冷やしそば 170g 糖質44.7g

ざるそば単体の糖質量は白米よりやや低いだけで、カロリーが低く健康食のイメージがあるそばでも相当量の糖質が含まれています。ざるそばも糖質視点では“ザル”そのものでした。

角砂糖に置き換えてみたらスゴイことになった

食品の糖質量を角砂糖の個数で置き換えてみる方法があります。

この換算は角砂糖1個=糖質約4gとして計算する方法で、その食品の糖質量の目安となるものです。吸収の早い角砂糖に置き換えることに賛否両論ありますが、糖質量の多少を比較する一種のモノサシだと思うと分かりやすいと思います。

計算してみると、ごはん(白米)茶碗一杯はなんと角砂糖約14個、冷やしそばは角砂糖約11個、いずれも大きな数字となります。コーヒーに砂糖を入れる方でもせいぜい2個程度なのに、この数字は驚愕です。角砂糖を10個以上食べることは、いかにも体に悪そうです。

糖質はで分解・吸収されて血糖となりますが、糖質が多いほどすい臓からのインスリンが大量に分泌され、分泌量が多いと脂肪として体内に蓄えられてしまいます。

まとめ

ざるそばはそばつゆでいただきます。食べ終わると、そば湯を注いでそばつゆもいただきます。そばつゆは糖質が多いみりんを使用し、そば湯には糖質分がたっぷり溶け出し、糖質はさらに多くなっていきます。

よって、実際にはざるそばの糖質は茶碗一杯程度あるのではないかと思います。また、大ざるにしていたら、茶碗一杯を超えてしまう可能性もあります。

さらにこの商品のように、やまいもを含んでいる場合やかぼちゃや玉ねぎなどの天ざるとなっている場合には、糖質はもっとアップします。

1日の糖質量摂取をゆる~く実践していく糖質制限は、ざるそばを食べることを決して否定するものではありません。そば好きの筆者もときどき食べています。ただ、こうした食品の糖質量にある程度の知識を持った食生活をすることが大切だと思っています。

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