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話題の「おにぎりダイエット」とは?
巷で話題になっている「おにぎりダイエット」。その名の通り、“おにぎりを(メインに)食べるダイエット”です。
おにぎりは言うまでもなく、昔からお弁当や夜食などにも頻繁に登場し、コンビニでも多くのラインナップがあって手軽に買える日本人の国民食、ソウルフードとも言えるものです。にぎらずに作る「おにぎらず」も新しい、おにぎりの世界を拡げてくれています。
おにぎりダイエットは、“おにぎりをメインに食べる”ということですから、おにぎりと同じくらいの量のご飯を食べても同じことです。ただ、どこでも手軽に食べられ、しかも○個と数えやすい(量が分かりやすい)のはおにぎりの方でしょう。
このダイエットを始めた人は意外な人だった!
このダイエットは、2012年9月1日放送、日本テレビの『世界一受けたい授業』でレジスタントスターチが広くお茶の間に紹介されました。
その後、シャ乱Qボーカルで音楽プロデューサーのつんく♂さんがおにぎりダイエットを始め、14日間やって、体重が4kg減少したとのことです。余談ですが、つんく♂さんのアフラックCM 「がん保険を、話そう。「声」篇 」が話題になっていましたよね。
その後、EXILEメンバーのMATSUさんやUSAさんらが実践し、確実に痩せました。この事実を2015年2月17日のフジテレビ「バイキング」でTAKAHIROさんが紹介し、口コミで情報が拡がっていったと思われます。
おにぎりダイエット実践のポイントとは
おにぎりダイエットは体質改善を伴うダイエット法ですので、実践の際には正しいやり方といくつかの注意点があります。以下、そのポイントを箇条書きにまとめてみました。
<食事の基本>
・冷めたおにぎり ※2合を1日に3~4回で食べる
・おにぎりの具は、塩、梅干し、おかか、昆布など
・白米、雑穀米
・おかずは野菜中心
・味噌汁(野菜中心に)
・水分補給は水、お茶
<避けたいもの>
・肉、魚、脂質の多い食品、果物
・清涼飲料水、スポーツドリンク
・お酒
<実践の注意点>
・体質改善を伴うダイエット法なので長く続けない(3週間前後が目安)
・目標とする体重まで減少したら3週間以内でも終了して無理をしない
・不足する栄養素はサプリメントで摂取する
・激しいスポーツは避ける
・終了するときは、徐々に元の食生活に戻す
どうして「冷めたおにぎり」でないといけないの?
すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、おにぎりは温かいものではなく、“冷めた”ものを推奨しています。
どうして「冷めたおにぎり」なのでしょうか。理由は、冷たいおにぎりは温かいおにぎりより「レジスタントスターチ」という難消化性でんぷんが多くなるからです。
難消化性のでんぷんは、小腸で消化されずに大腸に届きます。そのため、血糖値の上昇が抑えられ、インスリン分泌量が少なくなり体脂肪を溜めにくくします。さらに空腹感の抑制、腸内細菌による発酵で腸内環境が整えられ、摂取カロリーも少なくさせる効果もあります。
冷たいおにぎりの役割は、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)を多く摂り、体内環境を変えることで体質改善をしようとするものです。この辺りにおにぎりダイエットの最大のポイントがありそうです。
なお、でんぷんの一部が十分にレジスタントスターチに変化するためには、最適12時間程度冷ますことが必要です。
白米に含まれるレジスタントスターチはどれくらい?
白米100gあたりのレジスタントスターチの含有量について調べてみました。
・白米(乾燥) 14.1g
・白米(調理済み) 1.2g
単純に理解すると、レジスタントスターチの含有量はご飯を炊くことで約1/10に減少しています。炊いたご飯が冷えることで、どれくらいレジスタントスターチが増えるのかはここではわかりません。
常識的には数十倍には増えないでしょうから、多く見積もって2倍になるとしても100gあたり1.2g×2倍の2.4gしかありません。100gはおにぎり1個の量に相当します。果たしてこの量が、レジスタントスターチが持つ難消化性の機能を活かせるかどうかは不透明です。
どうしてもレジスタントスターチを活用したダイエットをやるのであれば、含有量の比較的多いバナナ(生、4.0g)、コーンフレーク(3.2g)、ライ麦パン(全粒粉、3.2g)などを取り入れていくという方法もありそうです。
おにぎりダイエットVSゆるい糖質オフ
おにぎりダイエットは冷たいおにぎり(中の具を含めて)と野菜、味噌汁、水、お茶という食事です。
お米には、炭水化物の他に、タンパク質やビタミン、食物繊維、ミネラルなどの栄養素が含まれています。
糖質オフ、ゆるい糖質制限との大きな違いは、肉や魚、脂質、一切のお酒等を避ける点ですが、糖質が多く含まれている果物、清涼飲料水、スポーツドリンクなどを摂取しないという点は一致し、まさに糖質オフそのものです。
しかし、肉や魚を摂取しないと、タンパク質不足による臓器、血液、皮膚などへの機能低下は否めません。また、脂質を摂らないとビタミンやホルモンの働きが悪くなる懸念があります。よってせいぜい3週間を目安に行うことが推奨され、長く続けることを避ける理由となっています。
一方、糖質オフは糖質をなるたけ制限する食生活ですから、始めた時点から一生無理なく続けられます。本サイトのテーマのような「ゆるい糖質オフ」なら、なおさら無理なく続けられます。
おにぎりダイエットは、おにぎり以外では糖質オフを推奨しているため、この部分からもダイエットになっている可能性もあります。糖質オフでは問題のない食材である肉・魚、脂質を取り入れて栄養バランスを取れば、このダイエットも長く続けられると思われます。
おにぎりダイエットと糖質オフは共通点があります。同時に、「おにぎり糖質オフダイエット」のような新ジャンルができたりすると、微妙な関係にあると言わざるをませんね。ゆるい糖質オフだから余計に…。
まとめ
おにぎりダイエット法は、おにぎりに少しだけ野菜とみそ汁を食べる食生活。古き良き時代の日本の食事を連想してしまいます。
おにぎりダイエットは、日常的な食材ですぐに始められるメリットがあるので、ご飯をなかなか止められない方が3週間だけ体質改善を目的にダイエットをやるなら良い方法かもしれません。繰り返しますが、長期間にわたって続けダイエット法ではないと思っています。