血糖値が高いと言われたら血糖値を下げる食材ってあるの?

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健康診断で血糖値が高いと言われたら?

毎年受診している健康診断で、空腹時血糖値が126ml/dl以上の方は意外と多いのではないでしょうか。これにHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値が6.5%以上なら慢性的な高血糖状態が続いていることになることになります。

血糖値が高いと診断されたらあなたはどうしますか?

前回の「血糖値を下げるためのあまりにも簡単すぎる5つの新生活習慣とは?」では、血糖値を下げるにはどうしたら良いかについてお話をしました。そこでは血糖値を下げるために、下記のような簡単にできる5つの新生活習慣をご紹介しています。

1.小刻みウォーキング

2.食事のリズムを整える

3.食べ方のコツを実践

4.GI値の高い食材を摂る

5.血糖値を下げる食材を摂る

記事の詳細は下記を参考にしてください。

血糖値を下げるためのあまりにも簡単すぎる5つの新生活習慣とは?
血糖値が高いとはどういう状態なのか 血糖値は血液に含まれる糖分、つまりグルコース(ブドウ糖)の濃度のことです。炭水化物などの糖質が消...
今回はその中の5番目の「血糖値を下げる食材を摂る」ということについて、少し掘り下げて見ていくことにします。

血糖値を下げる食材ってあるの?

血糖値を下げる食材があるの?と思われる方もいるでしょうが、結論から言うと、ミネラルを多く含む野菜やインスリンの分泌を促す成分を含む食材を積極的に摂取すれば、血糖値を下げることが期待できます。

化学肥料による土壌の変化や加工食品の普及などにより、現代人はとかくミネラルが不足しています。そしてとりわけ血糖値の高い人は、このミネラル不足に原因があると言われています。

ミネラルは、炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素に、ビタミン、ミネラルを加えた5大栄養素の一つです。体に必要とされる必須ミネラルは16種類あり、主要(多量)ミネラル7種類(カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム)と微量ミネラル9種類(鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、クロム、コバルト)があります。

この中でも、亜鉛クロムカリウム、マグネシウムマンガンリン、セレンなどを含む食材は、インスリンの合成に必要なミネラルで糖代謝を助ける作用があり、これらを含む食材を積極的に摂ることによって血糖値を下げる効果が期待できます。

血糖値を下げる食材はこれ!

まずは血糖値を下げる食材をミネラル成分別に一覧で見ていきましょう。できるだけ身近な食材に絞ってあります。濃いオレンジはミネラル含有量が多い、薄いオレンジはかなり多いとして色分けしました。

(数字は100g当たりの含有量、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年」を参考に作成)

主な食材について見ていきましょう。

牡蠣

牡蠣(生)は、カリウム(190mg)、マグネシウム(65mg)、リン(100mg)、亜鉛(14.5mg)、セレン(46㎍)、クロム(3㎍)と、他の食材と比べてもダントツのミネラル分を含んでいます。牡蠣フライでは炭水化物や脂質が多くなりますが、ミネラルの成分は生とほとんど変わりません。その他、アミノ酸、ビタミン、タウリンなども豊富に含み、牡蠣が「海のミルク」と呼ばれる所以です。

玉ネギ

玉ネギ(生)は、カリウム(150mg)、リン(33mg)、カルシウム(21mg)などのミネラル成分が含まれています。酢玉ネギでもご紹介したように、酢と玉ネギの相乗効果で血糖値を下げる常備菜となります。加熱してもほとんど成分は変わりませんが、水溶性ですので水にさらさないよう注意するだけです。手軽で便利な食材です。

穀物酢、黒酢、米酢などはカリウムやリンなどのミネラル成分が摂れます。同時に酢を使った料理は、食後血糖値の上昇も穏やかになります。毎日の食事での摂取量の目安は15ml程度。酢玉ネギやピクルスなどの作り置きが便利そうです。

オクラ

オクラは、カリウム(280mg)、マグネシウム(51mg)、リン(56mg)、亜鉛(14.5mg)などのミネラルが多く含まれ、インスリンの代謝を助け食後血糖値の上昇を防ぐことが期待できます。物繊維やポリフェノールも豊富です。1日2~3本を目安に、熱に強いのでいろいろな料理に活用できます。

玄米・発芽玄米

玄米や発芽玄米には、カリウム、マグネシウム、リン、マンガンなどのミネラルが多く含まれています。また、玄米にはγ-オリザノールという成分も含まれ、インスリンの分泌を促して血糖値を下げる効果があることが分かっています。

バナナ

バナナはカリウムが360㎎と表の中ではいちばん多くなっています。マグネシウムやリンなどその他のミネラル成分もバランスよく含まれています。ビタミンや食物繊維も豊富で、スーパーでも安価に手軽に買えるので優れた食材です。ただ、炭水化物がやや多めですので1日1本にとどめておくのが良いでしょう。

まとめ

ミネラルを多く含む野菜やインスリンの分泌を促す成分を含む食材を見てみました。どれも身近なものばかりで、積極的に摂取すれば血糖値を下げることが期待できます。

今回は2型糖尿病や境界型糖尿病の方向けの情報ですが、特定の食材ばかり食べるのではなくバランスの良い食事が大切なのは言うまでもありません。また、主治医とも相談して有意義な食生活を送ってください。