チョコレートと糖質オフとの微妙な関係

ポリフェノールの抗酸化作用とは

ポリフェノールと言えば赤ワインを思い浮かべる人が多いと思いますが、このポリフェノールは実にいろいろな種類があります。

赤ワインには色素成分のアントシアニンや渋み成分のタンニンなどがあり、その他よく知られたとことでは、カカオ豆のカカオポリフェノール、大豆に含まれるイソフラボン、緑茶の主成分であるカテキン、蕎麦に含まれるルチンなど、その数は数千種類とも言われます。

これらのポリフェノールの基本的な効能は「抗酸化作用」です。抗酸化とは、体の中を錆付かせないようにして酸化を抑えることです。体の中を錆付かせないようにすることは、活性酸素を除去することでもあり、アンチエイジングや生活習慣病の予防にもなるということです。

2/14のバレンタインデーに寄せて、今回はチョコレートのポリフェノールと糖質オフの関係について少し考えたいと思います。

チョコレートを食べない?食べる?それが問題だ!

チョコレートは糖質オフ、糖質制を実践している人や糖尿病疾患の人にとって、甘い誘惑に負けて食べてはいけない食品の代表格のようなものでしょう。

しかし一方で、チョコレートの抗酸化作用によって動脈硬化や糖尿病の予防効果もあることが言われていますから、むしろ積極的に摂っても良い食品のようにも思えます。このチョコレートをどのように考えて付き合っていったら良いのでしょうか。

これを考えるにあたり、2014年に蒲郡市・愛知学院大学・明治が産官学共同で実施した「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」がヒントになります。蒲郡市内外の45~69歳の347人に、4週間、カカオ分72%のチョコレートを毎日一定量25g(5g×5枚)を摂取して調査したものです。

中間報告によると、チョコレートの摂取で血圧が低下するという結果が出ました。血管が詰まって細くなると血圧は上がりますが、チョコレートは血管を広げる作用があることがわかりました。

また、チョコレートの抗酸化作用により、HDL(善玉)コレステロールが増加するだけでなく、LDL(悪玉)コレステロールの酸化も抑制して血管の詰まりを抑えることも確認されました。

なお、1日25gのチョコレートの摂取パターンでも、メタボリック症候群を引き起こす体重やBMIなどの増加はみられませんでした。

この報告からすると、適切なチョコレートの量であれば、糖質オフ、とりわけ「ゆるい糖質オフ」を行っている場合は、むしろ積極的に摂取してみる価値があると思われます。

ではどのくらいの量のチョコレートを食べてもいいの?

先の蒲郡市で行った実証研究では、カカオ分72%の高カカオポリフェノールチョコレートを1日25g食べてもらって調査を行ったことから、1日に25g程度食べることを推奨しています。

日本チョコレート・ココア協会では、1日に少なくとも510g程度を続けるのがよいとしています。

チョコレートを食べる場合は、カカオ含有量を%表示してあるハイカカオチョコレートやビターチョコレートが、またココアでは純ココアがカカオポリフェノールが多く含んでいます。

これらの商品を選んで、少なくとも510g25g程度を限度に食べることが良さそうです。5~10gはチョコレートで1~2かけら、純ココアでは1杯の量に相当します。25gは5gのチョコレートで5かけらとなります。

まとめ

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、動脈硬化や糖尿病の予防効果がある反面、かなりの量を食べ過ぎると逆に糖尿病などの生活習慣病を引き起こすことにもなりかねないという不安感から、まさに痛しかゆしの状況でした。

しかし、25g程度まで継続的に食べても、体重やBMIは増加せず、血圧の低下、HDL(善玉)コレステロールの増加や酸化抑制効果があり、糖質オフを実践する人も、前向きに検討して採り入れても良い習慣でないでしょうか。

あっ、今度のバレンタインにはハイカカオチョコレートを一つ…。

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