食べる時間帯で脂肪の付き方が20倍違うBMAL1(ビーマルワン)に注目!

time gene

体内時計の基本になるもの

人間の体には体内時計が備わっていることはすでにご存知ですね。生命が誕生し、長い進化の中で太陽のサイクルに順応して生きるために、生物は24時間単位でリズムを刻むようになったといいます。

体内時計の基本になるものは「時計遺伝子」とも呼ばれるもので、現在20~30種類の時計遺伝子が見つかっています。全身で60兆個を超える人間の細胞の中に1日周期でリズムを刻む遺伝子があり、脳の視床下部にある視交叉上核(しこうさじょうかく)がこれらの遺伝子のコントロールタワーとなっています。

時計遺伝子は、日中は活動し、夜は休息し、朝は朝日を浴びて体をリセットし、体のリズムを調節する働きがあります。

今回は時計遺伝子の一種である「BMAL1(ビーマルワン)」という特殊なタンパク質に注目してみます。

BMAL1(ビーマルワン)と肥満の関係

BMAL1(ビーマルワン)は、脂肪の蓄積に大きく関係する時計遺伝子で、BMAL1の量が多いほど脂肪がたまりやすくなる「肥満遺伝子」でもあります。

BMAL1は1日の時間によってその量が変動します。夜になるほど多くなり、午後10時~午前2時に急増し、午後14時~15時前後が最低になることが分かっています。その量の差は20倍以上とされていますので、午後の時間帯より深夜は20倍も脂肪が付きやすい状態ということになります。

つまり、夜遅い時間に食事をすると脂肪がたまり、太ることになります。長い進化の中で飢えに耐えるために、夜は体を休めて休憩脂肪を貯めこみ、昼間にそれをエネルギーとして活用するという仕組みが人間には備わっているのです。

これは、深夜に食事や間食をすると太りやすいということを証明していることにもなります。

体内時計からの示唆

海外旅行の際の時差ぼけは、朝日を浴びると間もなくリセットされます。しかし、夜勤や3交代勤務をしなくてはならない人、昼夜逆転の生活をしている人、夜更かしが多い人はそれが生活になっていますから、気をつけなくてはいけません。

体内時計が乱れて、肥満はもちろんのこと、糖尿病やがんを始めとする様々な生活習慣病を引き起こす可能性が高くなりますので要注意です。

体内時計の調節には朝日がとても効果的です。夕食を早めに摂り、きちんと夜の時間を空けて朝食をしっかり摂ることも体内リズムを刻むには重要な刺激です。そうなってこそ、朝食(Breakfast)は、夕飯からの断食(fast)をやめる(Break)ということが本当の意味を持ってきます。

BMAL1(ビーマルワン)を意識したゆるい糖質オフ生活とは

遅い時間に食事を摂ることが多くなった現代に、BMAL1(ビーマルワン)を意識したゆるい糖質オフの生活習慣とはどのようなものか、以下にまとめてみました。

夜型から朝型の生活リズムへ

夕食はなるべく早め、遅くても20時くらいまでに済ませましょう。外食の場合でも21時くらいまでには済ませないと体内時計が狂ってきます。だらだらと夜更かしはしないで睡眠をしっかり取り、朝日を浴びて朝食をしっかり食べましょう。

夕食を“分食”する

仕事の都合などでどうしても食事が遅くなりがちな場合、夕方に軽食などの“分食”をしましょう。空腹時間が短くなって遅い夕飯は軽めになり、結果としてドカ食いを防げます。急激な血糖値の上昇も防ぐことができますね。

夕食は低脂肪食、昼食は高脂肪食でも

遅い夕飯は、大豆製品や野菜などの低脂肪・低糖質で消化吸収の良いものを摂ることを一層意識しましょう。お肉や揚げ物などの脂肪の多い食事は、BMAL1(ビーマルワン)が少なくなる昼食で摂るのが理にかなっています。

スイーツを食べるならおやつの時間に

BMAL1(ビーマルワン)は、午後の14時~15時頃が最低になり、脂肪がつきにくい時間帯。会社勤めで、出張のお土産をいただくなら、まさにおやつの時間です。

まとめ

体内時計、そしてその基本となる時間遺伝子、その中のBMAL1(ビーマルワン)について見てきました。

BMAL1(ビーマルワン)を意識すれば、脂肪の付きにくい、太りにくい体になります。ゆるい糖質オフの効果もグッと上がります。血糖値の急上昇がなくなり血管の老化も防ぐことができます。

糖質オフの実践では、どうしても「何を(What)、どのように(How)食べたら良いか」ということに話題が偏りがちでしたが、これからは「いつ(When)食べたら良いか」ということも考えていくことが大切ですね。

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