“カロリー制限”から“糖質コントロール”へ
ダイエットや健康管理のために、糖質オフ、糖質制限、ローカーボ(ロカボ)がブームです。
ダイエットや糖尿病などの生活習慣病予防を目的とした「糖質オフ」は、最初はそれなりに体重や体脂肪が減少して成果が上がりますが、その後リバウンドして止めてしまう方が少なくありません。また、せっかく糖質オフを始めても、食材の糖質量や食べ方への理解不足から、うまくいかなかった方もいらっしゃるでしょう。
そこで糖質オフは、「ゆるい糖質オフ」からやってみることをおススメします。
食材の糖質量や食べ方のコツ・工夫を覚えて、ゆるく糖質をコントロールしていくと、ダイエットだけでなく、糖尿病を始めとする生活習慣病の予防にもなり健康寿命がのびていきます。アンチエイジングや美肌にも効果を発揮します。
これまでダイエットにはカロリー制限、糖尿病の治療にもカロリー制限と糖質等の適度な摂取と言われてきましたが、糖質制限といった糖質コントロールの視点を持つことも大切になってきています。
“カロリー制限”ではなく“糖質コントロール”へ。
「ゆるい糖質オフをしようねっと」は、炭水化物を一切摂らないようなきつい糖質オフではなく、無理なく快適に続けられるゆるい糖質オフ習慣のお役に立つ情報を提供していきます。
糖質オフの光と影
筆者は糖尿病予防のために糖質オフを始めた一人です。
主食をほとんど食べないスーパー糖質オフを行い、短期間で体重が数kgも下がり健康診断の結果が良くなりました。その実践の詳細は糖質オフ実践データで紹介していますが、その後長続きさせるのには苦労しました。
糖質オフをやってみると分かるのですが、主食に代わる野菜、肉、魚、大豆食品などを多くする必要がありますから、自分で料理をする方は除き、たいていの場合は家族とは別メニューになって奥さんの料理の手間が増えるだけでなく、食費を押し上げる原因にもなります。
また、炭水化物の中にある繊維質が少なくなって、水分を多く取らないと便秘にもなってきます。厳格な糖質オフを実践すればするほど、会社のランチでは食べるものが限定され、同僚とランチができなくなることもありました。
糖質オフにはダイエットや体重減少による健康面でのプラス面がある反面、料理の手間や食費の上昇等のマイナス面があります。また、糖質オフは比較的新しい試みだけに、そもそも続けて安全なのかといった不安や疑問を唱える人もいます。
ゆるい糖質オフのススメ
そこでたどり着いたのが、ほとんど主食を摂らない自らを追い込む厳しい糖質制限よりも、気軽に行う「ゆるい糖質オフ」です。
たとえば、主食摂取を3食から2食、ご飯1膳から半膳に減らしても、その分糖質の少ないメニューを追加し、食事量を減らさない無理のない方法です。
さらに「ゆるい糖質オフ」でも効果を上げるために、食材の糖質量を意識しながら、血糖値を急に上げない(糖質をゆっくり吸収させる)食べ方の工夫をし、毎日続く無理のない運動を加えることが長い目でみて大切ではないかと思います。
つまり、「ゆるい糖質オフ+食べ方の工夫+毎日続く運動」ということですね。
「ゆるい糖質オフ」は、糖質を無理のない程度に抑えながら、糖質の摂取量をコントロールしていくことです。この生活を続けていくと、ダイエット効果はもちろん、糖尿病を始めとする生活習慣病の予防になり、糖質オフ本来の目的を達成することができます。
筆者の場合は適正体重となり、健康診断の数値も正常な範囲に維持されています。糖質オフはアンチエイジングや肌の美容にも効果がありますから、キレイにダイエットしたい方は一度やってみる価値はありそうですね。
長続きする「ゆるい糖質オフ」はやっぱりおススメです。
(※ただし、ゆるい糖質オフでも、現在、糖尿病等の疾患の方は、必ずかかりつけのお医者さんの指示に従ってください。)
ゆるい糖質オフの5つの効果
ゆるい糖質オフを始めると、どういう効果があるのか、5項目にまとめてみました。
1.長続きするから健康寿命が伸びます
ゆるくて無理しないから長続きするのは当然といえば当然。
糖質オフのダイエット効果は抜群ですから、メタボな状況から開放され、ポッコリお腹も解消されます。健康診断の結果は回を重ねるにつれて良くなり、糖尿病などの生活習慣病の予防にもなって、健康寿命が伸びます。
2.生活習慣病の予防になります
生活習慣病は、悪い生活習慣という自覚がなくても、結果として不規則な生活、食生活の乱れとなり、過労やストレスなどの習慣でも発症してしまうのがこの病気の怖さです。
糖尿病や肥満は血管に負担をかけて、「脳梗塞」「心臓病」などを引き起こします。長続きする糖質オフは、これらの病気の予防が期待できます。
3.ダイエットでリバウンドしにくくなります
「ダイエットのポイントは、カロリー制限ではなく糖質オフだった!」。
これは周知の事実となりつつあります。肥満の原因は糖質の摂り過ぎで、体に吸収できなかった糖質が中性脂肪となるためです。ゆるい糖質オフは肥満を防ぎ、しかもゆるくて長続きするからリバウンドする可能性がほとんどありません。
4.精神的に安定します
糖質で血糖値が上昇すると、神経伝達物質が分泌されて快楽的な気分になります。が、それは一時的。
だんだんお腹がすいて集中力が無くなりイライラすることがあります。これは体が次の糖質を欲しがっているからですが、ゆるい糖質オフではひどい空腹感がなくなり、精神的に安定します。
5.アンチエイジングに効きます
食後の血糖値の振れ幅が大きいほど、血管へのダメージが大きくなります。糖質オフ+食べ方の工夫でこの血糖値の振れ幅をなだらかにし、血管が傷つくことを防いでくれます。
また、糖質オフは、糖質とタンパク質が結びつく糖化を防いで、肌の弾力にも良い影響を与えます。
実践のための7つのポイント
ゆるい糖質オフ実践のための7つのポイントをまとめてみました。
1.食品、食材の糖質にコンシャスになろう
糖質オフを続けるためには、糖質とり過ぎの食生活に気づくこと。糖質の多い食材やドリンク、料理を意識し、知ることから始めましょう。
糖質オフや糖質制限の書籍や雑誌、食品別糖質量ハンドブックなどもあります。本サイト「ゆるい糖質オフしようねっと」も大いに活用してください。
2.野菜や海藻から先に食べるようにしよう
野菜も海藻も食物繊維が多い食材で、先に食べると糖質の吸収がゆるやかになり、血糖値の上がり方を抑えることができます。
3.糖質の吸収をゆっくりさせる工夫をしよう
食事をする前に牛乳を飲んで胃腸を保護する。納豆をいっしょに食べて糖質の吸収を遅くする。お弁当には惣菜を組み合わせる。どうしても甘いものが欲しいときには食後に食べ、できれば軽い運動をする。
血糖値の上昇カーブをなだらかにして血管へのダメージを最小限にしましょう。
4.よく噛んでゆっくりと食べよう
仕事が忙しいサラリーマンはどうしても早食いになりますが、よく噛んでゆっくりと食べましょう。
食後血糖値の急上昇を防ぐだけでなく、食べ過ぎの防止、脳の活性化、消化吸収促進、フェイスラインのアップにもなります。
5.栄養バランスのとれた食事をしよう
主食を少なくする代わりに、肉、魚介類、玉子、大豆加工品などのタンパク質や、野菜、海藻、きのこなどのビタミンや食物繊維を摂って栄養バランスのとれた食事をしましょう。
糖質オフでは、カロリーや脂肪分は気にする必要がありません。
6.できる範囲で軽い運動をしよう
食後30分~45分は血糖値がピークになります。できる範囲で軽い運動や有酸素運動はやってみましょう。
ジョギングなどすでに運動している人ならともかく、運動をほとんどしない人は、食後にこだわらず、通勤途中に速足でウォーキングするのがやりやすいと思います。
7.自分の体重と体脂肪を記録しよう
ゆるい糖質オフを習慣化するためには、体重・体脂肪などを計って記録してみましょう。
そしてスマホのヘルスケアなどのアプリへの記録、表計算ソフト(エクセルなど)でグラフ化などをすれば、その変化は一目瞭然。体重と体脂肪の減少が始まると、面白くなって糖質オフをさらに意識した生活が送れるはずです。