糖質オフ用語

「糖質オフ」を理解するには、糖質制限・糖質オフに関連する用語だけでなく、特に血糖値に関する医学用語などの知識も必要になってきます。糖質オフ関連本を読んでも、必ず糖質オフ用語に遭遇します。ここではできるだけやさしく解説することを目指します。

AGE

有害物質である終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)のこと。大量に発生して体内に蓄積されると血管や骨の老化が進む。腎機能障害、網膜症、神経障害の合併症を引き起こす主犯格とされる。

BMAL1(ビーマルワン)

脂肪の蓄積に大きく関係する時計遺伝子で、BMAL1の量が多いほど脂肪がたまりやすくなる肥満遺伝子の性質を持った特殊なタンパク質のこと。BMAL1は午後10時~午前2時に急増し、午後14時~15時前後が最低になることから、夜遅い時間の食事は脂肪がたまることになる。したがって、夜勤や交代勤務をしなくてはならない人や夜更かしが多い人は、体内時計が乱れて、肥満はもちろんのこと、糖尿病やがんを始めとする生活習慣病を引き起こす可能性が高くなる。

GI

GIはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のこと。ブドウ糖摂取を100としたときの相対値で表し、高GI食品ほど血糖値が急激に上昇する。GI値は産地や調理法によっても変動するが、ご飯(白米)や食パン70~75、うどん55~60、そば45前後となっている。
一般的に、高GI食品を70以上、中GI食品を56〜69、低GI食品を55以下としている。

インスリン

膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンでインシュリンとも呼ばれる。血糖値を下げるホルモンはインスリンしかない。

カーボラスト

糖質のある炭水化物を食事の最後に食べること。たとえば、ベジファーストで食事を開始し、ご飯や麺類などの炭水化物を終盤に食べると、急に血糖値は上がりにくくなりグルコーススパイク(血糖値スパイク)は緩和される。

空腹時血糖

前回の食事から9時間、何も食べない状態で計測する血糖値のこと。膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンが不足しうまく働かないことで糖質の処理が悪くなり、糖尿病が悪くなるほどこの数値が高くなる。空腹時血糖の基準値は60~109mg/dl。

グルコーススパイク(血糖値スパイク)

血糖値スパイクまたは食後高血糖とも呼ばれ、空腹時と食後血糖値の差。血糖値の大きな変動は、活性酸素の発生等の影響で血管を傷つける。健康な人でも、食後はミニスパイク(小さな血糖値の変動)が起こる。大きな血糖値の変動による傷は動脈硬化を招き、腎障害、網膜症、心筋梗塞などを引き起こすリスクを高める。

ケトン体

ブドウ糖がない状態で脂肪酸が分解するとき、脳にエネルギー源を供給するために肝臓にできる物質。

ケトーシス

血液中に増えたケトン体がエネルギーとして使われている状態。

ケトアシドーシス

ケトン体の蓄積により体液のpHが酸性に傾いた状態。

スローカロリー

食べ物の小腸での消化吸収速度がゆっくりであること。急激な血糖値の上昇を防ぎ食習慣や生活習慣改善に効果があるとされる。一般社団法人スローカロリー研究会がスローカロリーに関する研究・啓蒙活動を行っている。

炭水化物

炭水化物は消化吸収される糖質と消化吸収されない食物繊維を合わせたもの。糖質は脳や体を動かすエネルギー源となり、砂糖や果物などの甘いものだけでなく、ご飯、パン、麺類、芋類などにもデンプンとして含まれている。

糖化

ブドウ糖が体内のタンパク質と結びつくこと。糖化が起こると有害物質であるAGE(終末糖化産物)が発生して体内に蓄積、血管や骨の老化が進む。

糖質

脂質、タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つで、炭水化物から食物繊維を除いたもので、炭水化物-食物繊維=糖質となる。砂糖などの甘いものだけでなく、ごはんや芋類に含まれるデンプンも含まれる。

糖新生

血中のブドウ糖量が減少した場合、肝臓でブドウ糖を作り出すこと。エネルギー源として中性脂肪など体脂肪が消費される。

糖尿病

すい臓から分泌されるインスリンの作用不足により、慢性的に血糖値が高くなってしまう病気。糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があり、「1型糖尿病」はすい臓の細胞が自己免疫異常によってインスリンを産生できなくなる。「2型糖尿病」は、生活習慣やストレスなどが原因でインスリンの作用が低下するもので、糖尿病患者の9割以上が2型糖尿病になっている。

糖尿病になると、糖尿病神経障害(し)、糖尿病網膜症(め)、糖尿病腎症(じ)などの合併症を引き起こす。

糖類

単糖類と二糖類の総称。単糖類は糖質の最小単位で、果実やハチミツなどに含まれるぶどう糖や果糖などがある。二糖類は単糖が2個結合したもので、砂糖(ショ糖)、乳糖、麦芽糖などが代表的。

ニート(NEAT)

Non-Exercise Activity Thermogenesisの頭文字をとってNEATとしたもので、特別な運動をしないで熱量を発生させる活動のことで「非運動性熱産生」と呼ぶ。日常的なニートを増やしていくことがニートアップにつながり、無意識にエネルギー消費を高めて運動不足が解消できる。

尿糖

血液中の糖が尿に排泄された糖のこと。血糖値が170~180mg/dlを超えると尿に糖がでてくる。

ふすまパン

穀物の表皮や胚芽を原料としたふすま粉で作られたパン。小麦粉のパンと比べ糖質が少ない。

ペットボトル症候群

糖分が含まれたスポーツドリンクや清涼飲料水などを大量に飲むことが原因でおこる急性の糖尿病のこと。清涼飲料水ケトアシドーシス、清涼飲料水ケトーシスとも呼ぶ。1日に2リットルPETを飲めば120~200gの糖分摂取になる。

ヘモグロビンA1c(Hb A1c)

血管の中でブドウ糖とヘモグロビンが結合したもので、Hb A1cは「ヘモグロビン エーワンシー」と読む。採血の2~3ヶ月前からの平均血糖値を示し、糖尿病診断の指標となるもの。
2012年4月より国際標準値(NGSP値)が採用され、それまでの日本糖尿病学会で決められた条件に従った測定値(JDS値)より0.4%高くなった。基準値は6.2%未満、6.5%以上で糖尿病が疑われる。

レジスタントスターチ

消化されにくいでんぷん(難消化性でんぷん)のこと。食物繊維の一種とされ、消化酵素で分解されにくいため、血糖値を上げにくい糖質として注目されている。整腸作用や空腹感抑制の効果もある。

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