若い人ほど発病する「ペットボトル症候群」の摩訶不思議

ペットボトル飲料での水分補給に潜む危険

スポーツした後や暑い夏には水分補給が欠かせません。ダイエットや健康維持のために、公園でジョギングをしながら、汗をかいた分のスポーツドリンクを飲んでいる方もたくさんいらっしゃるでしょう。

しかし、清涼飲料水のペットボトルで水分補給を続けていると突然「ペットボトル症候群」を発病する危険性があります。本ホームページの糖質用語でも解説していますが、ジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクなどの清涼飲料水を大量に飲むことが原因で起こる急性の糖尿病のことです。

清涼飲料水ケトアシドーシス、清涼飲料水ケトーシスとも呼ばれ、清涼飲料水をよく飲む世代の10代~30代で起こりやすく、子どもでも突然発症することがあります。糖尿病などの生活習慣病が疑われる方でも危険です。

清涼飲料水に多く含まれる糖分がものすごい

ペットボトル症候群=急性の糖尿病を起こす原因は何でしょうか。

清涼飲料水が入ったペットボトルの原材料名をいくつか見てみました。すると、原材料名の最初に「砂糖」、「高果糖液糖」、「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)」などの記載があり、栄養成分表示には100mlあたり「炭水化物○g」という表示があります。

原因は言うまでもなくこの糖分(炭水化物)の大量摂取です。

原材料名の最初にあるということは、その含有量がいちばん多いということです。また、栄養成分表示は“100mlあたり”で記載されていますから、500mlなら5倍、2リットルなら20倍になることに注意が必要です。

つまり500mlのジュース、コーラなどのペットボトルで100mlあたり10gの糖分が含まれているとすると、500mlをジョギングの時に飲むと糖分50gを摂取、1日に2リットルペットボトルを飲めば200gの糖分摂取になるということです。

この場合を角砂糖(1個4gの糖質量)に置き換えてみると、500mlで約12個、2リットルでなんと50個相当という衝撃的な事実になります。清涼飲料水の糖分はブドウ糖の場合が多く、体に早く吸収され血糖値が急激に上昇する点にも注意が必要です。

ペットボトル症候群になる体のメカニズム

清涼飲料水から糖質を摂取すると膵臓からインスリンが分泌されます。糖質が多くなってくるとインスリンが十分に分泌できず、働きが悪くなって、余計に血糖値が上がります。

清涼飲料水を飲んで血糖値が上がるとのどが渇くため、更に清涼飲料水を飲んでしまい、高血糖を引き起こすという悪循環を引き起こします。

糖質が処理できなくなると、体内の余分な脂肪をエネルギーとして使うようになり、燃焼過程でケトン体という酸性物質が作られます。

ケトン体が大量に産生されると血液が酸性になり、倦怠感、吐き気、腹痛などが起こり、ひどくなると意識障害や昏睡状態を引き起こすことになります。

これが、「糖尿病性ケトアシドーシス」と呼ばれるもので、ペットボトル症候群は、まさに糖尿病の症状そのものです。

まとめ

ペットボトル症候群で問題になるのは糖分の多い、果実飲料、炭酸飲料、スポーツドリンクなどです。フレーバーウォーターにも糖分が含まれているので、成分表示でよく確認しましょう。

スポーツの途中や暑い夏の水分補給で飲むときには、水やお茶、炭酸水にするのがベストですが、どうしても、糖質の入った飲料を飲むのであれば少なくするか、時々飲むだけにしましょう。

糖質の高い飲料を大量に、一気に飲むことは止め、糖質過多になることを避けましょう。

清涼飲料水を決して否定するものではありません。ペットボトル症候群が発症する可能性があることを理解した上で、充実した清涼飲料生活を楽しんでみましょう。

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