糖質オフでもお酒OK!でも痛風の人がはまる落とし穴

痛風発作が起こるそのタイミングとは?

筆者は、血液中の尿酸値が7.1〜7.3mg/dlとさほど高くないにも関わらず、30代半ばから時々痛風発作を起こし、現在も数値のコントロールに注意を払っています。

このことは、痛風と糖尿病の関係について書いた本HPの「尿酸と糖質の甘~く怖~い関係」の中でも説明しています。

尿酸と糖質の甘~く怖~い関係
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さて筆者の場合、痛風発作は2~3日間アルコールを飲む機会が続いた後に起こることが多いようです。特に年末年始や歓送迎会などが続く季節、お付き合いで飲み会などが続いた後のタイミングです。プリン体の多い食べ物は極力控えていますから、アルコールの影響であることは間違いありません。

そういう時には「ビールではなく、焼酎などの他のお酒にすれば良い」と言われてきましたが、本当にそうでしょうか。ゆるい糖質オフでは糖質が少ないとしている蒸留酒(焼酎、ウイスキーなど)との関係はどうなっているのでしょうか。ちょっと気になります。

痛風発作の原因はアルコールのプリン体ではなかった!

アルコール飲料中のプリン体含有量とアルコール、そして糖質量を一覧にして比較してみました。

<アルコール飲料のプリン体と糖質の含有量>Alcohol purine and carbohydrate content

出典:「アルコール飲料中のプリン体含有量」(公益財団法人 痛風財団)、『食品別糖質量ハンドブック』(江部康二監修/洋泉社)

表を見ると、ビールは比較的プリン体が高く、焼酎等はプリン体含有量が低くなっていて、お付き合いでは、乾杯のビールの後は蒸留酒に切り替えれば良いように思えます。また、蒸留酒の糖質量もゼロですからなおさらのことです。

ところが、アルコール度数はビールやワインなどと比較して、25~40度と高くなっています。実はここに落とし穴がありました。

アルコールを飲むと、胃や腸で吸収されて血液を通して肝臓に運ばれ分解されます。この時、多くの尿酸が体内で作られると同時に、尿酸の体外の排出にブレーキをかける乳酸という物質ができてしまいます。さらにアルコールには利尿作用があるため、体内の水分が少なくなり血液中の尿酸濃度が高くなるというおまけまで付いてくるのです。

プリン体含有量が低くてもアルコール度数が高ければ、その分肝臓の負担は大きくなり、より多くの尿酸が体内で作られますから、尿酸値の高い人は飲酒の生活習慣を断つしかありません。糖質オフと重ね合わせると、蒸留酒で糖質がゼロまたは少ないとしても、尿酸値の上昇につながることから、はやり飲酒はおすすめできません(きっぱり!)。

アルコールの単位を守ろう!

とは言ってみたものの、アルコールは百薬の長であり、適量を守って家族や仲間、同僚と楽しくコミュニケーションしていれば精神的にもリラックスし、尿酸値にも良い影響を与えると信じたいものです。

アルコールの適量は、アルコールの単位がよく目安にされています。つまり、ビール中びん1本、日本酒1合、焼酎0.6合、ウイスキーシングル2杯、ワイン2杯という単位です。

人によって、また性別によっても違いがあり、1単位でも多いこともあれば、2単位でも健康な人もいるでしょうが、適正な量を守っていきたいものです。

まとめ

糖質オフまたはゆるい糖質オフでは焼酎、ウイスキーなどの蒸留酒、さらには醸造酒のなかでもワインなどは、摂取しても良いアルコールとなっています。

しかし、痛風(高尿酸血症)で糖質オフを実践する場合には、たとえ蒸留酒でも摂取できないので注意が必要です。どうしてもという場合は、アルコール度数の高い蒸留酒は水や炭酸などで割ってゆっくりいただくと良いと思います。

あとは休肝日。自戒も含めて物言わぬ臓器、肝臓を週2日は労わることができれば完璧ですね。

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