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あすけんダイエットApp実践2ヵ月の中間報告
今年の6 月以降、椅子に座りPCに向かう時間が極端に増え、体重と体脂肪が高止まりし始めました。
何とかしなくてはと思い、iOSヘルスケアの体脂肪率のお薦めにあった「あすけんダイエット」App(アプリ)をインストールし、食事などの記録を始めたのが7月31日。毎日3度の食事や間食を記録し、2ヶ月が経とうとしています。
ここまで山あり谷ありとはいえ、2ヶ月で体重は約1.0~1.5kg減、体脂肪も1.5%前後減となり、それなりの効果が出ています。
「あすけんダイエット」の利用者は老若男女問わず様々な人がたくさんいて、「がんばって」や「いいね」で応援したり、時にはコメントをしています。自分と似ている度の高いユーザーの閲覧やフォローもしていますが、その中であすけんダイエットAppを、血管プラークの改善に利用している方がいましたのでご紹介します。と同時に、今回は血管プラークの改善について考えてみたいと思います。
血管プラークを溜めないことが目標の「ユウさん」
ユウさんは筆者がフォローする一人で52歳の男性です。自己紹介(一部)は次のように書かれています。
ダイエットではなく、脂質の管理・健康維持・成人病予防で、食生活のチェックでアプリを使ってます。目標は、血管にプラークを溜めない。成人病にならない血管の健康維持です^ ^
ちなみに、血管にプラークを溜めないメニューは痩せますよd(^_^o)食事はルーティンで、皮なしチキン・野菜・豆乳ヨーグルト・トマトジュース・野菜ジュースを基本に、1週間であまりメニューは変わりません。
久留米の真島医師の脳梗塞・心筋梗塞完全予防法の情報を参考にしてます。
「揚げ物とアルコール好き必見!糖質オフはコレに気をつけて」でも書いたように、筆者は加齢に伴う大動脈石灰化の診断があります。詳細はそちらに譲りますが、HP血管の石灰化は今回テーマにしている「血管プラーク(こぶ)」が原因となっています。
・あすけんダイエットAppは血管プラークを溜めない血管の健康に役立つ可能性があること
・血管プラークを溜めないメニュー自体もダイエットになること
・そのヒントは久留米の真島医師の脳梗塞・心筋梗塞完全予防法にあること
糖質オフの場合でも脂やアルコールなどに注意が必要だと気がついていましたが、筆者にとってユウさんの情報は改めて目からウロコな情報でした。どういうことなのか、少し調べてみました。
久留米の真島医師の脳梗塞・心筋梗塞完全予防法とは?
ユウさんのいう久留米の真島医師は、福岡県久留米市野中町にある真島消化器クリニックの真島康雄院長であることが分かりました。
クリニックのHPによれば、真島医師は現在の医学では脳梗塞・心筋梗塞の発生を動脈硬化の危険因子(高血圧・糖尿病・肥満・喫煙・A1c・LDL・尿酸など)で想定しているが役立っているかは疑問だとし、動脈硬化の危険因子に頼らない脳梗塞・心筋梗塞を確実に予知する手法を開発しています。2009年には「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」(幻冬舎)を出版されています。
現在の動脈硬化診断は左右の頸動脈だけを観るエコーが主流であるのに対し、真島医師が開発した手法は身体8カ所の動脈(血管)の内側に溜まった“脂汚れの厚み”を計測するというもので、これにより血管の分岐点などの汚れやすい血管の状態を透視・把握します。8カ所の血管の汚れ具合は、脳の血管の汚れ具合の鏡そのものだということです。HPにはクリニックに訪れた患者さんの診療・治験データがたくさん掲載されています。
「脳梗塞・心筋梗塞の完全予防法」はかなりのボリュームです。その中で目に留まった3ヶ所だけを紹介させていただきます。これ以外にも多くの示唆に富む内容がありますので、詳細は是非真島消化器クリニックのHPをご覧ください。
簡単に改善する動脈硬化
食習慣の改善を前提としてプラークは改善しますが、血液サラサラ薬+脂質改善薬を如何に強力に使用しても、プラークの改善は望めない。(中略)まず酸化脂質(油炒め・揚げ物類、他)の厳格な摂取制限&アルコール多飲の禁止、砂糖含有食品や植物油含有食品や乳製品の摂取を控えましょう。糖尿病でA1c値を下げても脳梗塞・心筋梗塞のリスクは低下しない
糖尿病の方はA1c値を下げることは治療の目標に違いありませんが、長い目で見れば血管プラークを低下させる事こそが優先順位の第一位とお考え下さい。洋風食(炭水化物制限食に類似)の食事は脳梗塞・心筋梗塞になりやすい
炭水化物を減らして、たとえ体重が10Kg以上も低下しても、血管のプラークがたくさん堆積し、5~10年後にはつら~い病気の日々がやって来るでしょう。「肉類、乳製品、揚げ物類、アルコールや乳製品を制限しない炭水化物制限食(糖質制限食)は危険!」という論拠に納得いただけたでしょうか。ただし「お菓子や甘い物は制限すべきで、“ごはん”などの炭水化物の糖質は制限すべきではありません」「敵は肥満やA1cではなくて動脈硬化(血管プラーク)なのですから」
なお、50歳を過ぎても炭水化物を制限する必要はありません。主食を止めてはいけません。年相応の量にすればいいのです。そんな些細なことよりも、劣化脂質・アルコール・菓子類や飲み物の糖分を制限しましょう。「お米:“ごはん”は血管を脂で汚すことはないのですから」
糖質オフ、ゆるい糖質オフでさえも相容れない内容で、どれも筆者にとってインパクトのあるメッセージです。
糖質オフと血管プラーク改善にみる共通点と相違点
糖質オフはもちろん、そしてゆるい糖質オフにおいても、体重、腹囲、体脂肪などの数値に一喜一憂しがちです。また、筆者のように境界型糖尿病の経験があると、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が健康診断時には気になるでしょう。血糖値を下げるため、普段から炭水化物などの糖質を制限する代わりに、肉、魚などのタンパク質、揚げ物、マヨネーズ、チーズ、オリーブオイル、アルコール(蒸留酒)などには制限はありません。
糖質オフの場合、基準となる数値が減少していても、血管プラークの改善はされていない可能性があります。
一方、血管のプラーク改善では、血管プラークを低下させることが優先順位の第一位です。血管プラークを溜めない、あるいはプラークを低下させるために、酸化脂質(油炒め・揚げ物類他)、砂糖含有食品、植物油含有食品、乳製品の摂取を制限し、アルコール多飲の禁止をしています。主食のお米は血管を脂で汚すものではないため、年相応の分量にすれば制限する必要はないとします。
血管プラーク改善の場合、プラークが減少していれば、たとえ体重や血糖値等の数値が上昇していても直ぐに死に至るようなことにはならないでしょう。
これらに共通している点は、菓子類や飲み物の糖分を摂らないことです。顕著に異なることは、肉の脂や脂ののった魚、揚げ物、チーズ、オリーブオイルなどは(ゆるい)糖質オフでは摂っても良い食材であることに対し、血管のプラーク改善ではプラークを増やす食材として控えるべきとしている点です。
まとめ
既出のユウさんは、
「揚げ物・炒め物・糖・劣化脂質・乳脂肪・牛乳・バターやマーガリンが入ってる食材や脂質5.0以上のものなどは出来るだけ口にしないように頑張ってます? 出来るだけです(^。^)」
と自己紹介の中で語っています。
こうした食材をできるだけ口にしないようにすれば、確かに血管にプラークを溜めないメニューとなって痩せるでしょう。また、あすけんダイエットAppで血管プラーク改善ができるかどうかは、血管プラーク改善の視点での食材選びが必要になってきます。ユウさんは「皮なしチキン・野菜・豆乳ヨーグルト・トマトジュース・野菜ジュース」を基本にしているようです。
厚生省の人口動態統計によれば、日本人の死亡原因の第1位はガンで3割弱の割合ですが、心筋梗塞や脳血管疾患の死亡率は2.5割ほどあり、4人に1人は血管疾患で亡くなっていることになります。「血管プラーク改善」が「糖質オフ」より優先順位が高いのは、いったん血管プラークに起因する血管疾患になると死に至るか後遺症が出て重篤になるケースが多いからでしょう。
では、今後はどうすべきでしょうか。本サイトのテーマである「ゆるい糖質オフ」をどう考えるべきかという存在意義に関わる問題にもなってきます。
「ゆるい糖質オフ」は、数ヶ月という単位で体重や血糖値の数値を下げるにはそれなりの効果があるでしょう。一方、「血管プラーク改善」は血管疾患予防を最優先に考え、糖質オフの食生活を否定する部分を持ち合わせますが、多くの人がまだ気づいていない極めて重要なテーマとも言えるでしょう。当面、「ゆるい糖質オフ×血管プラーク改善」の複眼思考を持ちつつ、血管プラーク改善について情報を入手しながら判断する方法もあるでしょう。
どうするかは、皆さん自身の判断次第ということになりますが、私自身も含め難易度が高い判断だと思います。
※ユウさんの自己紹介の引用には快諾いただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。ユウさんは、一人でも多くの方が脳梗塞・心筋梗塞にならないよう望まれています。