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外食で糖質オフがしやすくなった理由
糖質オフは、ご飯、丼物、麺類、パンと言った炭水化物を制限することです。言ってみれば、主食と考えられている食材などをできるだけ摂取しないことですから、自宅でのコントロールがメインとなり、なかなか外食はできないのではないかと思われがちです。
事実、筆者の場合でも糖質オフを始めた当初は、糖質オフメニューはありません。ランチ時には定食のご飯は最初から要らないと注文し、ご飯が多い丼物は決してオーダーせず、麺類は排除し、カレーでもナンは半分以下しか食べないというような状況でした。
ところが、最近の事情は少し違うようです。糖質オフ、糖質制限、低糖質、ローカーボ(ロカボ)というブームが定着し普及拡大期にあります。したがって糖質オフをする我々の側ではなく、糖質オフメニューや食材を提供する店やメーカー側で積極的な商品開発やメニュー提供の動きが見られるようになりました。
今回は外食店のこうしたトレンドについて、いくつか見ていきます。
外食チェーンの糖質オフ最新事情
くら寿司
まずは2017年8月31日(野菜の日)に話題になった、回転ずしチェーンくら寿司の「糖質オフシリーズ」。大きく3つのカテゴリーに分けて糖質オフ対応をしています。
シャリ野菜シリーズ 各100円
シャリが野菜になったお寿司。えびの握り、ビントロの握りの野菜は大根の酢漬け、サンチュ、ネギなどが入り、糖質は81~88%オフ。まぐろの手巻き、えびマヨの手巻きはキュウリも加わって、糖質は62~66%オフ。
シャリプチシリーズ 各100円
シャリが半分になったお寿司。シャリが半分になって、とろサーモン(糖質46%オフ)、びんちょう赤身(糖質47%オフ)と糖質は半分以下。
ラーメン麺抜きシリーズ 各370円
麺のないラーメン。キャベツ、チンゲン菜、人参、もやしなどの国産野菜7種と魚介出汁がベース。スープは担々麺、醤油、とんこつ醤油、濃厚味噌の4種類。糖質は67~89%オフ。
シャリに大根の酢漬けを使ったのは、見た目、味的にも評価はできます。特にシャリプチはご飯でお腹いっぱいになることが避けられ、糖質オフを意識した人がシャリを残すこともなくなります。
なお、「10種の選べる野菜メニュー」があり、これは野菜を一皿目に食べて血糖値の上昇を抑え、脂肪の吸収を抑えるという提案があり、とても良いことだと思います。
モスバーガー
モスバーガーでも積極的な糖質オフメニューを開発しメニュー化されています。
ミスの菜摘(なつみ)
モス野菜バーガーの具材を、バンズの代わりに国産生野菜のレタスで挟んだものです。野菜はこぼれやすくなりますが、糖質は少なくなっています。
ちなみに、モス野菜バーバーの糖質は33g、モスの菜摘モス野菜は9.6g(いずれも栄養分情報の炭水化物から食物繊維を引いた値)で、糖質が71%オフとなっています。
モスの菜摘はすでに定番化、定着しているメニューでしょう。
すき家
ロカボ牛麺(冷・温) 490円
かつお、こんぶ、さばで出汁をとったやさしい味わいのおつゆに、こんにゃく麺を使用してあります。低糖質で食べごたえのあるロカボメニューで、炭水化物は22.0g。
ロカボ牛ビビン麺(冷・温) 590円
こんにゃく麺をベースに、ねぎキムチと、野菜、牛肉を混ぜていただくビビン麺。炭水化物は28.5g。
2017年4月5日からロカボ商品の第一弾として販売が開始されています。ゆるやかな糖質オフは、健康になるための新しい食事習慣ですので、全国展開するすき家で行うことはまさに面(麺)展開となり、注目に値します。
ジョナサン
麺類は糖質が多く、食べても良いメニューから外すことが多いでしょう。しかし、ファミリーレストラン「ジョナサン」ではこのカテゴリーでこんにゃく麺を使い、糖質オフメニューを提供しています。
酸辣湯麵 849円(糖質0麺で+50円/20.1g)
糖質0麺のカレー南蛮 849円(糖質17.1g)
低糖質セット
・ソイブレッド(糖質9.2g)+ドリンクバーセット
・セットサラダ+ドリンクバーセット
・自家製寄せ豆腐+みそ汁・漬物
ガスト
ジョナサンと同じすかいらーくグループのCaféレストラン「ガスト」においても、麺のメニューに糖質オフの料理があります。どちらもクロレラとほうれん草を練り込んだ自家製ヘルシー麺を使用し、中華麺と比較して糖質25%オフとしています。
1日分の野菜のベジ塩タンメン(糖質43.2g)
肉みそとサラダのピリ辛冷やしタンタン麺(糖質45.0g)
つけ麺屋「舎鈴」
株式会社松富士食品が経営するつけ麺屋。糖質オフのために麺を使わないで「つけ肉」にしたから、インパクトが大きく口コミで広がりやすくなりました。
HPでも、
常識を覆した糖質カットメニュー。糖質を気にされている方にオススメの一品です。この機会に是非ご賞味ください。
となっています。現在時点で価格は880円(税込み)、八重洲店、丸の内店、田町駅前店などで提供されています。
宅配弁当「京香」
「京香」は現在8店舗ある宅配弁当屋です。白ごはんをプラス80円で「ブロッコリー」に変更できます。ブロッコリーは低カロリー高タンパクの優秀食材で、ビタミンC、鉄分、カロテン、食物繊維などが豊富だとしています。
「京香」はかなり報道されたので、ご存知の方が多いかもしれませんね。
まとめ
外食チェーンを中心に糖質オフメニューを調べてみましたが、ここではほんの一部しか紹介できていません。
糖質オフメニューの開発にチャレンジし、定番化させている外食チェーンが想像以上に多いことに改めて気がつきました。
トレンドとしては、いわゆる主食にフォーカスした商品開発が目立ちます。一つは、主食を野菜やお肉で代替するシンプルかつ大胆な潮流で手っ取り早く糖質量を下げる方法です。もう一つは野菜やこんにゃくなどを加え、主食の食感や見た目を損なわずに主食加工品に仕上げる潮流でそれなりに開発に時間をかけて糖質量を下げる方法です。これが大きな2つの潮流といえるでしょう。
今後もどんどん糖質オフ商品が開発されることを希望します。個人的にはこれに加え、血管プラーク改善のための脂質オフ等のメニューもあると嬉しい限りです。