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糖に関する用語がとにかく分かりづらい
本サイトで使用している糖質オフの「糖質」、飲料に表記されている糖類オフの「糖類」って何でしょうか。どこかが違うのかお分かりになりますか。
また、なじみの深い「砂糖」、「ぶどう糖」、「果糖」、そして「オリゴ糖」「乳糖」などはどのように分類されるのでしょうか。ストレートには甘くなさそうな「でんぷん」は? 「人工甘味料」なんていうのもありますね。「糖質ゼロ」、「糖類ゼロ」、「微糖」という表示もよく見かけます。
どんどん疑問がわいてきます。ここでは、糖に関連する言葉について整理をし、頭の中をスッキリさせてみましょう。
糖質にはたくさんの種類があることが混乱の原因
販売される商品は、栄養表示基準に従って、基本的項目「1.エネルギー、2.たんぱく質、3.脂質、4.炭水化物、5.ナトリウム」をこの順番で表示することが規定されています。その他の栄養成分があれば、ナトリウムの後に表示をすることになっています。
さて、この中の炭水化物を分類して整理すると、次のような糖の体系にまとめられます。
まず、炭水化物は糖質と食物繊維から成り立っていて、「糖質=炭水化物-食物繊維」ということでしたね。糖質は、糖類よりも上位概念にあり、「糖質=糖類+多糖類+糖アルコール+人工甘味料」で構成されます。この中の糖質は単糖類と二糖類に分かれています。
これが大きな体系で、一度整理しないと混乱する訳ですね。
糖質の構成要素を少し詳しく調べてみた
糖類
単糖類
糖質の最小単位で、ぶどう糖や果糖があります。果実やハチミツに含まれています。
二糖類
単糖類が2個結合した糖類です。ぶどう糖と果糖が結びついた砂糖(ショ糖)、牛乳に含まれる乳糖、ぶどう糖が2個結びついた麦芽糖などが代表的です。
多糖類
ここでは糖が3個以上結合したものを便宜上、多糖類と呼ぶことにします。糖類が3~10個程度つながったものがオリゴ糖、米やイモなどに含まれるでんぷんなどがあります。なお、でんぷんは、唾液のアミラーゼで麦芽糖に変化し、小腸のマルターゼでブドウ糖に分解して小腸で吸収されます。
糖アルコール
一部にアルコール特有の構造がある糖が糖アルコールです。果物や野菜の他、きのこ、海藻、ワインや日本酒、発酵食品などに含まれています。虫歯予防になる難消化性のキシリトール、低カロリー食品の甘味料に使用されるソルビトール、エリスリトールなどが代表的です。
人工甘味料
構造的に糖質ではありませんが、栄養成分表示上は糖質として分類され、砂糖の数百倍の甘さがあります。酢酸を原料としたアセスルファムK(カリウム)、砂糖から作られるスクラロースなどがあります。糖類ゼロでも甘い商品は、こうした人工甘味料が含まれています。
食物繊維は糖質オフをしなくても積極的に摂るべき
消化酵素で消化されず排出される食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は水に溶けやすくドロドロのゲル状になるため、糖質の吸収が遅くなり血糖値の急上昇を防ぎ、脂質を体外に排出します。トウモロコシから作られるポリデキストロース、果物や野菜に含まれているゼリー化の作用を持つペクチンなどがあります。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は水に溶けず胃や腸で水分を吸収して膨らみます。便の量が増え、腸も刺激して便通が良くなり、腸内環境を改善します。よく噛まなければいけないので、食べすぎを防いで満腹感も得られやすい効果があります。
不溶性食物繊維には、植物の細胞壁を構成するセルロースやヘミセルロースなどがあります。大豆、ごぼう、野菜、などに多く含まれますので、意識して積極的に摂取しましょう
糖類ゼロ、糖質ゼロの意外な事実
栄養表示基準では、炭水化物、糖質、糖類は食品100g当たり(飲料では100ml当たり)の該当する栄養成分の量が0.5g未満の場合、0(ゼロ)と表示できるとしています。
つまり、単糖類と二糖類からなる糖類が0.5g(ml)未満なら、「糖類ゼロ」と表示できます。また、2.5g(ml)未満なら、「微糖」「低糖」と表示できるとしています。
注意しなくていけないのは、その他の糖質である糖アルコールや人工甘味料が含まれていても、糖類はまったくないかほとんどないので、「糖類ゼロ」と表示していることです。
「糖質ゼロ」とは、糖類を含む多糖類、糖アルコール、人工甘味料のどれもが0.5g(ml)未満ということになります。
したがって、「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」ではどちらを選んだ方が良いか、すでにお分かりですね。「糖類ゼロ」だと思って安心して摂取していると、血糖値は上がっていきますので注意してください。
まとめ
今回は基本に立ち返り、「糖」そのものについて分類しながら見てきました。
何かもやもやとしていたものがスッキリし、少しいい加減に使っていた言葉をより正しく使えるようになりました。
「糖類ゼロ」にちょっとした落とし穴があり、その意外な事実に正直なところびっくりしました。