「チョコレートと糖質オフとの微妙な関係」での結論
チョコレートやココアに含まれるカカオポリフェノールは、動脈硬化や糖尿病の予防効果がある反面、量を食べ過ぎると逆に糖尿病などの生活習慣病を引き起こすことにもなりかねないという不安感から、「チョコレートと糖質オフの微妙な関係」という記事を書きました。
25g程度まで継続的に食べても、体重やBMIは増加せず、血圧の低下、HDL(善玉)コレステロールの増加や酸化抑制効果があり、糖質オフを実践する人も、前向きに検討して採り入れても良い習慣でないでしょうか。
そこで、筆者自ら近くのスーパーで実際に買えるハイカカオチョコレートやノンシュガーチョコレートなどを購入し、栄養成分を比較し、実際に試食してみましたのでレポートします。
最寄りのスーパーで買えるハイカカオチョコレートはこれ
最寄りのスーパーは電鉄系や単独店などいくつかのスーパーがあり、今回はハイカカオチョコレートの陳列が比較的多かった関東圏に本社のある中堅チェーン店に行きました。購入できたのは以下のチョコレートでした。
・明治のチョコレート効果シリーズ(CACAO95%、CACAO86%、CACAO72%)
・明治のチョコレート効果素焼きクラッシュアーモンドCACAO72%
・森永製菓のカレ・ド・ショコラCacao70
・ロッテのZEROノンシュガーチョコレート
例外的に、ノンシュガーチョコレートやピュアココアも購入し、ハイカカオチョコレートと主要栄養成分を比較してみます。それぞれで単位グラム数が違う表示のため、25gに換算して比較することにしました。
<商品別主要栄養成分>
商品名 | 栄養成分 | 1箱(60g) 当り |
25g 換算 |
明治 チョコレート効果CACAO95% | エネルギー(kcal) | 362 | 151 |
タンパク質(g) | 8.5 | 3.5 | |
脂質(g) | 30.8 | 12.8 | |
糖質(g) | 8.1 | 3.4 | |
食物繊維(g) | 9.2 | 3. | |
ナトリウム(㎎) | 3 | 1.3 |
商品名 | 栄養成分 | 1箱(70g) 当り |
25g 換算 |
明治 チョコレート効果CACAO86% | エネルギー(kcal) | 405 | 145 |
タンパク質(g) | 9.7 | 3.5 | |
脂質(g) | 31.9 | 11.4 | |
糖質(g) | 14.7 | 5.2 | |
食物繊維(g) | 10.2 | 3.6 | |
ナトリウム(㎎) | 4 | 1.4 |
商品名 | 栄養成分 | 1箱(75g) 当り |
25g 換算 |
明治 チョコレート効果CACAO72% | エネルギー(kcal) | 427 | 142 |
タンパク質(g) | 8.0 | 2.7 | |
脂質(g) | 30.8 | 10.3 | |
糖質(g) | 25.1 | 8.4 | |
食物繊維(g) | 8.6 | 2.9 | |
ナトリウム(㎎) | 4 | 1.3 |
商品名 | 栄養成分 | 1箱(47g) 当り |
25g 換算 |
明治 チョコレート効果素焼きクラッシュアーモンドCACAO72% | エネルギー(kcal) | 275 | 146 |
タンパク質(g) | 6.1 | 3.2 | |
脂質(g) | 21.0 | 11.2 | |
糖質(g) | 12.8 | 6.8 | |
食物繊維(g) | 5.5 | 2.9 | |
ナトリウム(㎎) | 0 | 0 |
商品名 | 栄養成分 | 1枚(4.8g) 当り |
25g 換算 |
森永製菓 カレ・ド・ショコラ Cacao70 | エネルギー(kcal) | 27 | 140 |
タンパク質(g) | 0.4 | 2.1 | |
脂質(g) | 2.0 | 10.4 | |
糖質(g) | 1.8 | 9.4 | |
食物繊維(g) | 0.53 | 2.8 | |
ナトリウム(㎎) | 0.12 | 0.62 |
商品名 | 栄養成分 | 1本(10g) 当り |
25g 換算 |
ロッテZERO (ノンシュガーチョコレート) |
エネルギー(kcal) | 48 | 120 |
タンパク質(g) | 0.8 | 2.0 | |
脂質(g) | 4.0 | 10.0 | |
糖質(g) | 3.9 | 9.8 | |
食物繊維(g) | 1.1 | 2.8 | |
ナトリウム(㎎) | 3 | 7.5 | |
糖類 | 0 | 0 | |
ショ糖 | 0 | 0 | |
乳糖 | 0 | 0 |
商品名 | 栄養成分 | 1杯 (4g) 当り |
25g 換算 |
バンホーテン ピュアココア | エネルギー(kcal) | 16.8 | 105 |
タンパク質(g) | 0.9 | 5.6 | |
脂質(g) | 1.0 | 6.3 | |
糖質(g) | 0.6 | 3.8 | |
食物繊維(g) | 1.1 | 6.9 | |
ナトリウム(㎎) | 1.0 | 1.3 |
ハイカカオチョコレートの糖質・ポリフェノール比較
次に糖質分だけをピックアップして一覧にしてみたのが下記の表です。この表では新たにポリフェノール含有量(1枚は4.8g~5.2g程度)になっています。
商品名 | 糖質 (25g換算) |
ポリフェノール 含有量 |
試食コメント (※個人の感想) |
明治 チョコレート効果 CACAO 95% |
3.4g | 142mg/1枚 | カカオ95%は相当苦い |
明治 チョコレート効果 CACAO 86% |
5.2g | 136mg/1枚 | 苦味が我慢できる甘さ |
明治 チョコレート効果 CACAO 72% |
8.4g | 127mg/1枚 | 苦味が少なく心地よい甘さ |
明治CACAO 素焼きアーモンド72 |
6.8g | 118mg/1枚 | アーモンドが美味しいが、その分ポリフェノールは少し低め |
森永製菓カレ・ド・ショコラCacao70 | 9.4g | 108mg/1枚 | カカオ70でもやや苦め |
ロッテZERO (ノンシュガーチョコレート) |
9.8g | (表示なし) | 砂糖ゼロ・糖類ゼロだが違う甘さ |
バンホーテン ピュアココア |
3.8g | (表示なし) | コーヒーや牛乳に入れて飲む |
明治のハイカカオチョコレートの品揃えが豊富です。早速食べてみるとカカオ含有量が多くなるほど苦味が増し、その分糖質量は少なくなっていきます。アーモンドなどの別の素材が入ると香ばしく美味しくなりますが、ややポリフェノール含有量が少なくなっていく傾向があります。
ロッテZEROはノンシュガーチョコレートといえど、糖質量としては今回試食したなかでは最大です。砂糖0g、糖類0g、乳糖0gと表示されていますが、甘味料としてキシリトール、アスパルテーム、L-フェニルアラニン化合物、スクラロースなどが使用され、個人的な感想ですがやや人工的な甘さを感じます。
この商品は、二糖類などの糖類は使っていません(※100g当たり糖類0.5g以下を糖類0と表示可能)が、糖アルコールや人工甘味料を使用し、結果として糖質が高い数値になっています。なお、糖質の分類については、「糖質を分類したら意外な事実が明らかになった!」を参照してください。
バンホーテンピュアココアは、さすがに子供の頃のように砂糖を入れて飲むことはしません。ソリュブルコーヒースプーン2杯のところ1杯をピュアココアにしたり、牛乳を飲むときに1杯加えたりして飲むと良いと思います。
まとめ
「チョコレートと糖質オフの微妙な関係」を書いたバレンタインデーから約1ヶ月が経過。その間、近くのスーパーで買えるハイカカオチョコレートを購入し、最大25gまでを意識して試食してみました。
体重や体脂肪にさほど変化はありません。HDL(善玉)コレステロールの増加や酸化抑制効果なども1ヶ月では検証するには短すぎますが、糖質オフを行う場合でも、抗酸化作用や動脈硬化予防効果があることから、拒否する理由は見当たらず、カカオポリフェノールの摂取は前向きに検討しても良いと改めて感じました。
個人的味覚の差や好みやはあるでしょうが、おすすめは「明治 チョコレート効果CACAO 86%」と「バンホーテンピュアココア」です。前者は、比較的糖質量が低いことに加え、カカオ86%の苦さと甘さのほど良いバランスに加えポリフェノール含有量が多い点、後者は糖質の低さとドリンクに入れて手軽に摂取できる点でそれぞれおすすめです。
なお、ハイカカオチョコレートはハンバーグソースやカレーに入れてコクを出すこともできます。間食だけではなく、料理からもカカオポリフェノールを摂取できるとはウレシイですね。